依存症家族のためのプログラム「CRAFT」とは?

 ギャンブル依存症のえいきです。

 前回の記事「”ギャンブル依存症者への支援”についての私見」で

依存症の家族が真っ先にとってしまいそうな行動として挙げられる、苦言や説教、我慢、借金の肩代わりでは、ギャンブル至上主義の状態の人を他者がコントロールすることは不可能!!

と述べさせていただきました。

 また、それに対する対案(支援策)として、以下のことを書きました。

支援者が誰であれ、ギャンブル依存症者を否定せず、誤りを指摘せず、理解し寄り添うことが大切です。そして何か伝えるときはアイ・メッセージで。

 この支援策について、同様の支援プログラムがアメリカで大きな成果を上げているとのことです。

 それが

CRAFT(クラフト)

です。

 では、CRAFTとはいったい何なのか?「アルコール依存症治療ナビ.jp」様のホームページより引用します。

 CRAFTは、飲酒問題や薬物問題に悩む家族のためにアメリカで開発されたプログラム。対立を招かずに、治療を勧める方法を学んでいきます。アメリカでは、このプログラムを受けた家族の場合、70%前後が治療を開始したという研究結果が出ています。 
  CRAFTは「Community Reinforcement And Family Training」(コミュニティ強化法と家族トレーニング)の略称です。ここで言う「コミュニティ」とは、本人を取り巻く環境のこと。つまり治療を受け入れやすい環境を作ることによって、自ら治療を選んでもらうのです。大きなポイントはコミュニケーションを変えることですが、それだけではなく、CRAFTでは家族自身が今より楽になれることも目指していきます。

  また、実践的な方法については、NHKはこう表現しております。

 CRAFTのコミュニケーションスキルは、1,肯定的、2,「私」を主語にする、3,理解を示す、4,責任を共有する、の4つで構成されています。
 1, 肯定的 「お酒を飲むあなたは嫌い」→「お酒を飲んでいない あなたが好き」 「『お酒を飲むあなたは嫌い』と言われると、『嫌いなんだ』というふうに反発しますよね。そこでむしろ良い部分のことを言う。『お酒を飲んでいないあなた、とてもいいね。すてき』と言ってあげる。その方が本人には伝わりやすいし、聞く耳を持ってくれます」(松本さん) 
  2, 「私」を主語にする 「酔っている姿を子どもに見せたくないから、控えろよ」→「酔っている姿を子どもが見るのは、私はとても悲しい」 「『あなた』を主語にすると命令口調になります。『お前なぁ』とか『あなたはね』と言われると『批判されるな』と必ず身構えます。依存症の人たちは命令されるのがとても嫌です。だから『あなたをコントロールするつもりはないよ、でも私が思うのは勝手だよね』というスタンス。本人に相手の主張がスッと伝わりやすい。『酔っている姿を子どもに見られると私は悲しい』と自分の気持ちを軸にして言うことがとても大事です」(松本さん)
  3, 理解を示す 「今日は飲まずに帰ってきなさい」→「仕事が終わったら飲みたくなるよね。我慢するのは大変だと思うけれど、早く帰ってきてくれたら私はうれしい」 「『飲まずに帰って来てほしい』と言うだけではなく、『確かに仕事が終わった後はストレスもあるし、癒しのために一杯飲みたくなる気持ちはわかるよ』と示してあげて、『でも自分たちとしてはこういう風にしてくれるとうれしい』と伝える。相手の立場を少し理解してあげている感じの言葉を投げかけることですね」(松本さん) 
  4, 責任を共有する 「なんで飲むの!」→「飲まずにいるために、私にできることある?」 「ご家族の心情を考えれば、家族の責任みたいな言い方をするのは嫌だと思いますが、本人が心を開きやすくするためにはただ責めるだけではなくて、『あなたがお酒を飲んだり、薬を使ったりする背景には私にも少し責任があるよね。だから何かできることないかしら』という投げかけです」(松本さん) 
 1~4のスキルによって、家族のコミュニケーションを改善していくことが重要です。

 この内容はギャンブル依存症でも当てはまります。しかし、ギャンブル依存者のとった行動が原因で苦しんでいる家族が、自身の気持ちの整理もつかず、回復もままならぬままに、人の手助けができるでしょうか??

 この点が大きな課題の一つだと言えるでしょう。

 詳細については、下記のとおりリンクを張っておきますので、時間のある時にお読みください。


〇アルコール依存症治療ナビ.jp-家族のためのプログラム『CRAFT』

〇NHK福祉情報サイト・ハートネットー“依存症”からの回復【後編】 新たな家族支援「CRAFT」とは?

0コメント

  • 1000 / 1000

リブウィズ(Live with)~ギャンブル依存症と向き合う仲間たちの会~

・皆さまはじめまして!代表の「えいき」と申します。 ・沖縄県宜野湾市に拠点を置いております。 ・令和5年6月20日に、本任意団体を1人で立ち上げました。(非営利団体) ・ギャンブル依存症当事者です。 ・ギャンブル依存で苦しむ方々が穏やかな暮らしを手に入れ、暮らしやすい社会を構築できるよう活動します。 ・過去の後悔や自身の経験を踏まえ、誠心誠意支援してまいります。現在、会員募集中です!